コミュニティ放送は、自主放送を行うケーブルテレビ事業者が、制作・提供している放送サービスです。
ケーブルテレビ事業者はコミュニティ放送で地域の行政情報をはじめとして交通情報、防災情報、災害情報、地元のショッピング情報など、地域住民にとって役立つ地元の情報を提供しています。また、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末の普及に対応し、こうした地域情報を身近なモバイル端末でも、入手できるシステムも開発され、導入する局が増えてきています。なお、わが国の放送のデジタル化に伴い、ケーブルテレビ事業者各社ではコミュニティ放送のデジタル化を行い、またハイビジョン化を推進してきました。
近年、ユーザー参加型の映像コンテンツをコミュニティ放送や専用チャンネルで放映するパブリック・アクセス・チャンネル(PAC)を提供する事業者も増加し、新しい形での地域コミュニケーションツールとして一定の成果が出始めています。
また、一部の事業者では、地域メディアの担い手として、ケーブルテレビとの兼営または関連会社によるコミュニティFM放送の運営を行ってきましたが、東日本大震災以降、コミュニティFM放送があらためて見直され、有線のケーブルテレビとともに無線のコミュニティFMを活用し、これまで以上にきめ細かな情報提供に取り組むケーブルテレビ局が増えてきています。
コミュニティ放送は、基本的に、地域の話題を取り上げ、地域の人々を対象に放送が行われてきていますが、近年、ネットワーク連携が進展するなかで、ケーブルテレビ局同士の番組交換や流通が活発化してきています。
緊急地震速報は、日本の気象庁が中心となって提供している予報・警報です。緊急地震速報には、「一般向け」と「高度利用者向け」の2種類があります。
ケーブルテレビは、「高度利用者向け」緊急地震速報を提供し、家庭や事業所に設置した専用端末が発報し、「地震の規模」や「地震の到達時間(秒数)」を知らせるものです。(注:直下型地震では、速報が機能しない場合もあります)
現在多くのケーブルテレビ事業者が緊急地震速報を提供していますが、東日本大震災以降、この緊急地震速報の需要が高まっています。また、コミュニティFM局を運営しているケーブルテレビ事業者では、この緊急地震速報システムを自社のコミュニティFM放送やコミュニティ放送でも同時使用しているケースもあります。
ケーブルテレビが提供するデータ放送サービスは、コミュニティ放送のチャンネルに合わせて、リモコンの「d」ボタンを押すことにより、地上デジタル放送対応のテレビ画面で静止画情報や文字情報を簡単なリモコン操作で入手することができるサービスで、放送のデジタル化により、ケーブルテレビで提供可能になったデジタル放送サービスの視聴形態の一つです。
市町村などの行政情報・施設紹介、警察署・消防署からのお知らせ、休日当番医の紹介、毎日の交通情報・天気予報、地元のお店紹介、お出かけ情報、ケーブルテレビからのお知らせ、など、生活に役立つ身近な情報を提供しており、ケーブルテレビ加入者の迅速な要求に応えられる利便性の高いサービスとして利用されています。
また、こうしたさまざまな情報が、お手持ちの携帯電話やスマートフォンで見られるシステムが開発され、導入するケーブルテレビ局が増えてきています。